特集
2021.03.02
人参ジュースに含まれる栄養素
ジュースに使用している人参『京くれない』
金時人参と西洋人参を掛け合わせた品種
アグリ神河の人参ジュースには、「京くれない」という品種の人参を100%使用しています。
京くれないは、金時人参と五寸人参を掛け合わせて生まれた希少な品種です。
金時人参といえば、お正月料理などでよく使われる赤い紅色の色が鮮やかな日本独自の品種です。
金時人参の色鮮やかさは「リコピン」が多く含まれていることに起因しており、西洋人参と比べると肉質がやわらかく甘みがあります。
ただ、西洋人参よりも栽培期間が長いことや収穫期間が短いこと、栽培する畑には高い畝(うね)が必要であることなど、栽培しづらい要素もあることから、収穫量が少なくなっています。
五寸人参は西洋系の人参で「カロテン」を多く含んでいます。
西洋系人参は日本ではメジャーな品種で、江戸時代後半に伝わり、明治時代に栽培が普及したものです。
品種改良が繰り返されたことで人参特有の香りや臭みが少なくなり、とても食べやすく、栽培もしやすくなっています。
人参の甘みや、栄養素、栽培方法まで。
金時人参と五寸人参の良い所を掛け合わせたのが「京くれない」なのです。
リコピンやβ-カロテンに期待できる効果
「京くれない」にはリコピンとβ-カロテンがバランスよく含まれています。
リコピンとβ-カロテンについてどのような効果が期待できるのか、それぞれ解説していきます。
リコピンについて:
リコピンは、生活習慣病予防において注目されている食品由来の「カロテノイド」の一つです。
カロテノイドとは野菜や果実を彩る黄色または赤色の色素で、自然界には約600種類が存在しているといわれています。
リコピンは、そのカロテノイドの中でも秀でた抗酸化作用(活性酸素を消去する作用)を持つ成分であり、その効力はβ-カロテンの2倍以上、ビタミンE(α-トコフェロール)の約100倍ともいわれています。
活性酸素は、がんの発生の原因の一つといわれており、リコピンの抗酸化作用により、がん予防が期待されています。
他にも、肺疾患予防、糖尿病予防、動脈硬化予防、老化遅延、抗アレルギー、美容効果(メラニン生成抑制効果)、視覚機能の改善などの効果があるといわれているため、近年、リコピンの生理機能に対する関心が高まり、多くの研究報告が行われています。※1
※1 食品分析センターより引用
http://www.mac.or.jp/mail/170901/03.shtml
リコピンの名前の語源が、元々ギリシア語でトマトを意味する「Lycopersicon」に由来しているように、トマトやトマト加工品が主な供給源となってはいますが、金時人参、スイカ、柿、あんず、パパイア、マンゴーなどにもリコピンは多く含まれています。
β-カロテンについて:
β-カロテンもカロテノイドの一種で、動物や人間の体内で必要な分だけビタミンAに変換されるので「プロビタミンA」とも呼ばれています。
β-カロテンがビタミンAとして変換されると、目の神経伝達物質となったり、皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きをしたり、免疫力を高める働きにもなります。
また、活性酸素を抑え動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病から守り、がんの予防にも効果があるといわれています。
β-カロテンが不足すると、ドライアイや暗いところでの視力低下につながるだけでなく、免疫力が低下し、風邪を引きやすくなったり、口内炎を起こしたりします。
β-カロテンを多く含む食品は、にんじんのほかには、モロヘイヤ、ホウレンソウ(ゆで)などがあります。
アグリ神河の『京くれない』の特徴
アグリ神河の『京くれない』の特徴を、成分分析表のデータを基にご紹介します。
「甘い!」一般的な人参の平均値よりも糖度が高い
「京くれない」は、一般的な人参よりも糖度が高く、甘みが強い人参です。
アグリ神河のプレミアム人参ジュースで使用している『京くれない』を成分分析した結果によると、
野菜の甘さの目安であるBrix糖度のDB平均値※2が、一般的な人参が8.2%であるのに対して、京くれないは9.6%と約1.2倍ほど、糖度の高い人参となっていることが分かります。
プレミアム人参ジュースが、砂糖や添加物を一切使用せず、人参、レモン、梅エキス人参だけの原材料でありながら、甘さをしっかり感じるのは、京くれない自体の甘みが強くあるためです。
人参本来の甘味を、しっかり感じていただけると思います。
「胃がんのリスクが低い?」硝酸イオン数値が低い
「京くれない」は、一般的な人参よりも硝酸イオンの含有量が少ないという結果が出ています。
硝酸塩の元となる硝酸イオンのDB平均値が、一般的な人参が280mg/kgであるのに対して、あぐり神河のプレミアム人参ジュースで使用している京くれないは49.0mg/kgと、約17%程度の数値となっています。
硝酸イオンについて:
硝酸イオンとは、植物が生体内にもつ窒素です。
植物は、硝酸イオンやアンモニウムイオンなどの窒素を、硝酸塩やアンモニウム塩の形で根から吸収し、太陽エネルギーを得て光合成をすることで炭水化物を生成し、アミノ酸やタンパク質を合成します。
野菜類には、土壌中の細菌により酸化されて、硝酸イオン(NO3)になったものが主に吸収されます。
吸収される硝酸塩などの量が多すぎたり、日光が十分に当たらなかったりすると、吸収された硝酸塩などがアミノ酸、タンパク質に合成されないで、植物体中に貯まると言われています。
硝酸塩の健康への影響:
硝酸塩は、通常摂取する程度では、それ自体は特に人体に有害なものではありません。
しかし、ヒトの体内で還元され亜硝酸塩に変化すると、 メトヘモグロビン血症や発ガン性物質であるニトロソ化合物の生成に関与するおそれがあるということが一部で指摘されています。
硝酸塩から発ガン物質であるニトロソ化合物の生成の可能性があることから、胃がんと硝酸塩(または亜硝酸塩)の摂取の関係についていろいろな研究がされています。
野菜は硝酸塩の主要な摂取源ではありますが、ビタミンCなどの保護因子も含むため、野菜を大量に摂った場合には、それに含まれる硝酸塩と同じ量の硝酸塩を添加物等として摂取した場合に比べて、胃がんのリスクは低くなると思われます。
※2
DBは検査元のデリカフーズ保有のデータベースを指します。
平均値算出に用いた数:
抗酸化力…57検体(人参/2008~2017年/11~12月)
Brix糖度・ビタミンC・硝酸イオン…244検体人参/2008~2017年/11~12月)
※農林水産省HPより引用
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/syosanen/eikyo/index.html
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/syosanen/eikyo/003.html
成分分析表
京くれない 分析結果表(2019年)
『京くれない』の成分は以下の分析表のようになります。
分析結果 | DB平均値※2 | 食品成分表値※3 | |
スーパーオキシド消去活性値(units SOD/g) | 22.6 | 27.4 | ― |
ヒドロキシルラジカル消去活性値(μmol DMSO/g) | 498 | 2,440 | ― |
一重項酸素消去活性値(μmol Hisutidine/g) | 14.3 | 40.9 | ― |
Brix糖度(%) | 9.6 | 8.2 | ― |
Brix糖度(%) | 7.2 | 7.2 | 6 |
硝酸イオン(mg/kg) | 49.0 | 280 | 0 |
※3
日本食品標準成分表 2015年度版(七訂)《人参/根、生》参照
プレミアムにんじんジュース 分析結果表(2018年)
『プレミアムにんじんジュース』の成分は以下の分析表のようになります。
分析試験項目 | 結果 | 定量下限 | 注 | 方法 |
水分 | 90.6g/100g | ― | 1 | 減圧加熱乾燥法 |
たんぱく質 | 0.5g/100g | ― | 燃焼法 | |
脂質 | 0.2g/100g | ― | 酸分解法 | |
灰分 | 0.5g/100g | ― | 直接灰化法 | |
炭水化物 | 8.2g/100g | ― | 2 | ― |
エネルギー | 37kcal/100g | ― | 3 | ― |
ナトリウム | 8.5mg/100g | ― | 原子吸光光度法 | |
食塩相当量 | 0.022g/100g | ― | 4 | ― |
ビタミンA (レチノール活性当量) | 275μg/100g | ― | 5 | ― |
α-カロテン | 540μg/100g | ― | 6 | 高速液体クロマトグラフ法 |
β-カロテン | 3030μg/100g | ― | 高速液体クロマトグラフ法 | |
リコピン | 2.62mg/100g | ― | 高速液体クロマトグラフ法 |
注1. 窒素・タンパク質換算係数:6.25
注2. 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)による計算式:100-(水分+タンパク質+脂質+灰分)
注3. 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)によるエネルギー換算係数:たんぱく質、4;脂質、9;炭水化物、4
注4. 計算式:ナトリウム×2.54
注5. α-カロテン24μg及びβカロテン12μgをそれぞれレチノール活性当量1μgとした。
注6. 食品表示基準について(平成27年消食表代139号)別添 栄養成分等の分析方法等